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人間の暮らしに憧れる子ギツネ

「本を読むのは作者との対話」という言葉を聞いたことがある。

 

でも「対話」っていうところが何か違うような気がする。

対話って一対一でお互いに意思疎通するイメージだけど、

読書は作者に自分が思ったことを届けることができないから。

 

でも、本に書いてある言葉から作者をインプットして、自分の中に作者を作り上げて会話もどきをすることはできるのかもしれない。

自分のペースで好きなタイミングでエアー作者を連れてきて話ができるって、

自分勝手な行為で意外といいかもしれない。

関係性に何の責任も持たなくていいし。

でも、最後まで読まないと謎の後ろめたさを感じることがある。

 

身勝手な関係を利用して、

うわー、誰かと会いたい、でも深夜3時だ、って時には、

本を開く。

 

住宅街の奥にあるこぢんまりしたお家の軒先で雨宿りさせてもらうような、

そんな体験をしにいく。

 

本のジャンルとしてはエッセイが好きだ。

YoutubeでVlogを見るのも好きだし、

人の日常やその心の機微を垣間見させてもらうことに安心するんだと思う。

 

あまり人間としての「暮らし」というものをしっかり履修してこなかったので、家事の組み立てや頻度はとても参考になる。

暮らしの繰り返しのリズムとか、季節の運びにみな対峙していることとか、

当たり前かもしれないけど、いつも新しく学んでいる気分。

 

何となく、キツネの子どもが人間の暮らしを見て憧れているような、心象風景が浮かぶ。

子ギツネの自分が暮らしの中の人間の考えや感情の吐露を見聞きして、

少し人間に近づくような、

そんな自分勝手な時間を深夜3時に過ごしている。

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